悪評高き軽貨物運送?

軽貨物運送事業、と聞くとあまり良いイメージを持っていない人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしネットショッピングの隆盛や大手事業者との相互依存体制を見ても、すでにこの社会においてなくてはならない存在になっています。

厳しい業界と言われる軽貨物運送。開業に尻込みする気持ちは良くわかりますし、実際に失敗する人もたくさんいます。ネットで調べると悪評ばかり・・・。しかしこれだけニーズがある、将来性もある業界であるはずなのになぜこのような印象だけが広まっているのでしょう。

FCへの過度の期待は捨てよう

「騙された」

私は長年、信販会社の自動車債権債務のお手伝いをしており、その中で何度も軽貨物事業用の車両に関わった経験があります。そのときに債務者さん(開業して失敗してしまった人)ほぼ全員が口にした共通の言葉がこれです。

私の立場は単にお車と書類を預かる仕事だったのでこちらから具体的な会話はできませんでしたが、先方が一方的に語る言葉に相槌を打ちながら耳を傾けることはできました。もちろん疑問や反論を切り出すことはできなかったのですが、多くの方がその仕組みや経緯を嘆くように自ら語ってくれました。

それを聞きながらまず感じたことは、言葉は悪いですが所属するフランチャイズチェーンの口車に乗ってしまったミスに対し自分を責める人が皆無だった点です。今の心の状況でそれを期待するのは無理な話かもしれませんが、「あ、この人もそうか・・・」とちょっと違和感を感じたことは明確に記憶に残っています。

そもそもFCビジネスというのは「本部が看板代とノウハウを提供しますからリスクは全てあなたが背負ってください」というビジネスです。実際にFC本部が実働するわけではないですから(業界によっては一部実働するタイプの本部もあります)提供する価値のあるノウハウとマーケットがありさえすれば本部にとっては非常にリスクの少ない理想的なビジネスなのです。

加盟金や保証料で儲かる、ロイヤリティで儲かる、販促資材や設備で儲かる、投資は宣伝とブランド力向上と維持、会員教育のみ、リスクは看板に傷がつくこと、これがFCビジネスの基本です。だから会員への締め付け、統制が厳しいのです。近年あちこちで裁判沙汰が起き、強烈な加盟店契約も見直されつつありますが、そもそも会員に対する収益保証などの新たなリスクが増えるとFCビジネスが成り立たなくなるのです。

会員から徴収する初期費用はFC本部にとって生命線ですから説明会などでは良いことを言うに決まっています。しかしちゃんとオマケ程度にでもリスク負担に関しても説明しているはずです。「皆さんは経営者となります」の一言で多種多様なリスクを含んでいると感じませんか。もちろん実際に契約となるときちんとそのリスクが契約書に記載されているはずです。

私自身も某中古車買取FC店で勤務した経験がありますのでその理不尽とも思える気持ちはよくわかります。売上が上がらない、なぜだ、店舗の掃除が行き届いていないからだ、オマエ(私)はなぜスーツ姿なのだ、指定のユニフォームであるジャンバーを着用しないからだ、そもそもそんな意識だから売上げが上がらないのだ・・・当時の私より全然若いSV(スーパーバイザー)という地域店舗担当者から総攻撃を受けたこともありました。

私は店とは別に直接経営側から店舗経営の立て直しを依頼されて入社し、店舗駐在ではなく外販担当、かつ個人ノルマは大体クリアしていましたから言い返します。

「店舗としての結果はまだ出てないけど改善の兆しは見えている。私は自分の考えややり方は間違っていないと思うのだけど、SVさんは指導するだけの現場経験があるの?」

「ありますよ!3ヶ月びっしり実店舗で研修受けましたから!」

との返答。私も当時は自動車販売5年の若輩者でしたから全否定はしません。しかし、新卒(多分)で3ヶ月の研修を経ただけの人に、経験則を否定されるのはやはり気分の良いものではありません。何より「売上が上がらない」最大の要因として、当時画期的だった「販売のための他店舗との在庫共有システム」を導入しないことを不振の原因だとして強く指摘されたことに疑念を感じたのです。必要なその投資額は数百万、「それさえ入れれば売上は上がる」と。

経営母体の懐事情も芳しくありませんでしたし、私は来店客自体が少ない段階での導入は無意味だと考え強力に導入に抵抗していたのです。今思うとそこがFC本部、SVにとっては気に入らなかったのかもしれません。

その後、SVの定期巡回も断り「自動車販売経験者」としてのノウハウと力技で売上を伸ばしますが、最終的には経営母体の事情で店舗閉鎖になりました。

FCなんてそんなものなのです。経営母体は当時規制緩和で斜陽業界とされ経営の多角化が必須といわれた中堅ガソリンスタンド。社長もFC参加説明会で危機感を煽られ、ほだされてリスクが見えなくなり加盟の判断をしてしまったのだと思います。

しかし、お客様はやはりTVCMを見て来店しますし、取って付けた信用も最大限利用することができました。自分がどう動くかで上手く利用もできる、それがFCの良い点ですし、どちらにしても新規開業なのですから「最終的には自分次第」の部分の比重が大きいのだと思うのです。

仕事の目星があればFCに加盟する必要はない

「騙された」は枕詞。必ずその後に「仕事があるって言っていたのに食える分の仕事なんて何もない」という嘆きが続きます。私は黙って頷くことしかできませんでした。

債務者さんを責めるつもりは毛頭ありませんが、軽貨物FCの多くは収入保証はしていなかったと記憶しています。していたとしても最初の3ヶ月とかではなかったでしょうか。となるとやはりそれ以降、結果を出すには自分の営業力次第となるわけです。

「それができれば誰も苦労はしない」

そうなのです。そこに気づくか気づかないかだと思うのです。いくらノウハウを提供してもらっても誰でもできるものではないのです。当時多くの軽貨物FCは専用車両を買わされ、様々な名目の初期費用を取られ、事業許認可も今の相場の数倍から10倍以上取っていたところもありました。今は車両持込での参加が許されたり、費用もかなり安くはなってきたようですがそれでも大きな投資であることに変わりはないようです。

そもそも、自分で営業して売上げを上げることができる人はFCに加盟する必要はないと思いませんか。せっかく自分で開拓し、自力で売上を上げてもFCへのロイヤリティや初期投資を考えると帳尻が合うまでには長期間かかってしまいます。しかも退会にもさまざまな条件が付けられるようです。

自分で顧客を開拓する場合、各軽貨物FCが持つブランド力を冷静に考えると個人の力によることろの方が大きいと思うのです。

それならば、最初に全面的に仕事集めをFCに依存して加盟を検討するのではなく、まず自分なりに顧客をリサーチしてみてはどうでしょう。これが私の考えです。FCは後からでも加盟できますので。

どう動くべきか

ここからは私の主観的な考えです。私自身、軽貨物事業をやった経験はありませんが、失敗する人の共通点と営業畑(根拠なき飛び込みは嫌い)出身の自分なりの手段を述べます。

荷物や顧客を手当たり次第に集めることよりも先に

営業での最前提となるのが自分のバイタリティレベル、コミュニケーション能力、ビジネスマナーの有無です。そして最後に「心の強さ」。特に運送業界はこの点で間違いなく立ち遅れています。長距離、大型、宅配問わずです。

人と話ができないと信じ込んでいる人、荷物を運ぶ仕事だから人と話をしなくて済む、と言う理由で軽貨物事業に手を出すことはやめた方が良いかもしれません。というのは、障がいでもない限り誰とも話ができない人なんていませんよね。そんな人だと独立開業なんて道は選ばないはずです。

人と話はできる、という人でもただ話ができればいいというものではありません。そこで必要になるのがコミュニケーション能力とビジネスマナーがあるかどうかです。

私も気が短い方なので事務所へ配達に来る人のちょっとした言動や行動にカチンをきてしまうことが多々あります。事務所は開き扉なのにノックもせずにいきなり飛び込んでくる人、重い荷物を私の目の前で放り投げる人、放り投げた後で足で寄せる人、事務所は階段の2Fなのですが、下から電話をかけてきて「俺、腰が痛いから下まで取りに来てくれや」とタメ口で言う人、声が筒抜けの廊下から「重てえなチクチョー」とか舌打ちをしながら運んでくる人、メール便をしっかり折り曲げる人、いろいろいます。

これは軽貨物に限りません。大看板の運送会社、宅配会社のときもあります。ノックもせずに飛び込まれたときと足で荷物を蹴られたときは我慢できず「もう来るな!」と言ってしまいましたが、相手は謝りもしません。上司が謝罪に訪れたのは郵便局のときだけでした。これには突然だったので驚きました。某大手さんなど荷物が一時行方不明になってもなしのつぶて。数日後に「見つかった」と連絡があってもいつもの配達員が何食わぬ顔で謝罪の一言もなく普段通り荷物を置いて行ったのには呆れて開いた口がふさがりませんでした。他のケースは自分が何も言わなくてもすぐに別の配達担当者に変わります。きっと辞めちゃうんでしょうね。

荷主も受取人も「お客様」です。看板を背負っている以上、自分のミスではなくとも取るべき態度があるはずです。その基本がわからない、納得できない、やりたくない人はここで退場ですね。

あとは最低限のマナーとして時間厳守、遅れそうなときの事前連絡と到着予定の連絡、言葉使いですが、最も軽視されやすいのが身だしなみです。汚れていれば自分としては「働いている」気がするかもしれませんがお客様は不快に思うだけです。これも基本中の基本です。

それら基本ができていればあとはバイタリティ。要はお客様に好印象を与えられるかどうかです。これは面白いことを言ったりニコニコしていればよいものではなく、不快感を与えない対応、真面目、信頼の方のバイタリティです。

これが揃えば自力で顧客を掴む可能性が初めて生まれると思ってください。

運ぶ物より先にルートを1本考える

定期固定ルートほどスタートアップに重要なものはありません。しかしそれが遠方間であれば非常に効率が悪くなるのはすぐに想像できるかと思います。なので片方は自宅近傍地域が良いに決まっています。

例えば私の事務所がある三鷹市を例に挙げると、事務所を出発点にして10分、15分で行けるお客様を1件(企業)獲得するとします。三鷹市近郊の主要幹線道路としては東西に走る国道20号線と東八道路があります。南北は環状8号(笹目通り)と府中街道があります。高速道路は除外します。これを通じて片道2時間以内で到着できる地域とすればおのずと都心西部、埼玉南部、多摩西部と限定されます。

高速使わず片道2時間の根拠は、都市部なら30~40km、渋滞を考慮しても到着できる、という点と車を傷めない点にあります。使う車は軽自動車です。いくら維持費は安いとはいえ傷めばそれなりの出費となるのでなるべく傷めない走行ができるルートを優先します。なので高速道路は除外し、緊急用とするのです。

そしてこの根拠に従えば、自宅近傍で集荷し、挙げた地域への配送、このたった一本ができればその企業に対して「朝集荷、昼(午後)届けできます」をアピールできます。企業によっては届け先で「戻り便」として帰りの荷物を預かり「昼届けと同時に集荷、戻って夕方届け」という往復の効率良いパターンができる可能性があります。一番手っ取り早いのは企業の事業所間の定期配送、社内便です。ホームページのある企業なら事業所所在はインターネットで調べることができます。それをしらみつぶしにリサーチします。大きな企業だとすでに定期便や社内便が確立している場合が多いのでここは中小零細に絞ります。

一本ルートができれば後の営業は自宅近傍と届け先地域に絞ることができます。書類を緊急配達するバイク便が成り立っているのですから、当日中配達のニーズもあるはずです。これは大手ではなかなか対応が難しい分野です。

仕事が欲しいからといって無節操に引き受けてはいけません。ルートが分散すると時間に追われ、ミスを連発して顧客の信頼を失う結果になる可能性があるからです。まずは固定の一本、そしてその周辺をじわじわ開拓しましょう。

実際に営業する時

まずは「投資」が必要です。軽貨物車を買い(中古が良い)、事業用登録を行います)。リサーチだからといって運べる車もない段階で飛び込んでも信用を落とすだけです。もしかするとその場で「じゃあ明日から運んでみて」となるかもしれません。そうなったときに「いや、まだ・・」とは言えなくなるのです。

自家用で有償で運ぶことは法令違反ですし、個人事業でもコンプライアンス(法令順守)レベルは必ず見られるのです。逆に「安けりゃ、早けりゃどこでもいい」という顧客は絶対に長続きしませんし、何かあると大ごとにされるリスクをはらみます。

とりあえず車を事業用登録をした後でも「やっぱり無理だ」となったらすぐに普通ナンバーに戻すことができます。FC系で買わされる看板バリバリの箱軽トラではその後どうしようもできなくなりますが、中古の軽貨物ワンボックスだと自家使用車としても十分耐えますし換金もしやすいのです。

まず自宅近傍であたり、運良く「毎日あそこ(前述の地域範囲)へ運んでいるんだ」という話題を引き出せたら現状、当日着か翌日着かを確認します。翌日着であれば当日着ならダメなのかどうか、運賃はどちらが負担しているのかを確認します。戻り便があるかどうかは業種によって違いますが、届け先へコンタクトした時に別の運び先が聞けるかもしれません。

自宅近傍の顧客が部品製造ならそれを納める一次組立工場への運送、一次組立工場での半完成品を二次工場へというルート、食料品工場(冷蔵品は受けないこと:専用の車が必要になる)なら問屋へのルート、様々考えられます。参入の足掛かりは「現在大手を使っている中小零細企業」です。もちろん運べる量や大きさに限界がありますから取扱製品のリサーチも必要です。

余談ですが、私が携わっていた自動車業界では、あるメーカー系販売会社のパターンとして、毎日登録書類を営業店から集め、本社の登録センターで登録し、完成した書類を営業店へ戻す、という社内便ルート配送が確立していました。もうかなり前なので今は違う方法かもしれませんが企業の社内便という仕事もあることを知っておいてください(料金は安いですが他の仕事と組み合わせることができます)。

運送の営業の場合、事前アポイントでは間違いなく断られるはずなので「突然申し訳ございません」の言葉とともに名刺片手に飛び込んでみることです。中小零細企業は飛び込んでみると意外と親切に対応してくれたり、食らいつく隙を見せてくれるところも多いのです。無論、飛び込みといっても事前に一定のリサーチをしないと心がすり減ってしまいます。

渡す名刺の裏には事業許可番号と賠償保険の保険会社名は入れます。個人事業でも屋号を記し、個人名の頭には「代表」の文字を入れます。自宅(事務所)以外に携帯番号の記載もこの仕事の場合は必須です。「いかにも手作り名刺」は相手を不安にさせます。名刺はきちんとしたものを作りましょう。

仮に少しでも食いついてくれて即聞かれるのは「んで、いくらで運ぶ?」です。運び先地域、頻度、荷物の種類、今の運賃をすぐに聞き返し、即答できるように準備しておきましょう。しかしここで聞いた運賃より安い価格を即答してはいけません。価格以外の現状の不満を聞き、提供する解決策や付加価値を受け入れてくれるかどうかの確認をすることです。一呼吸置き、まずは前述の「当日届け」の可否を確認しましょう。「当日だと有難い」というニュアンスを感じたらそれが付加価値です。現状より多少高めの価格から交渉に入ることができます。

仕事が取れたら

仕事が取れたら「じゃあ契約を!」とガッつかず、まずは謙虚に「自信はありますがまずは1週間私の仕事を見てください。ご納得いただけたら正式な契約をお願いします」と言いましょう。この文言は相手にとっては好印象です。もちろん、その時に賠償保険の証書も提示しましょう。運ぶ商品によっては不足する場合も考えられます。

一般の宅配と違い、この手の運送は荷主、受取人ともに「手がかかる」ことを一番嫌います。包括契約(荷物の分量に関係なく1回いくらという契約)でない限り荷主さんは伝票を作らなければなりません。これをさせないことによって大きなアピールポイントになります。

とはいえ「伝票なし」は絶対にいけません。賠償保険の効力の問題も生まれます。この場合、こちら側が伝票を書いてあげるのです。何月何日、何時お預かり、品目・・・・合計何品、料金いくら、元払い、お届け先払い、と書き、カーボンコピーでもいいですから3枚用意し、荷主さんに確認してもらった上でサインをもらって荷主控えを渡す、そして届けたら届け先担当者からサインをもらって届け先控えを渡す、両者のサインが残ったものを自分の控えとするのです。荷主、届け先控えの裏面には運送約款をプリントしておきます。

で、1週間の試用で、ご納得頂けたら正式の契約を結びます。契約は書面で結びます。その手順や書式も信用として見られていると思ってください。

念のために同業ネットワーク作りと「利用運送登録」を

個人事業の大きな弱点は「自分が倒れると補完ができない」点です。体調を崩した、車が故障、顧客はそんな状況を理解はしてくれません。そしてもう一つ、「車に積めない荷物の依頼があったとき」も自分では対応ができなくなります。だからこそ大手やFC系を利用する人が多いのです。その時の対応の手を打っておくことが必要です。

これは「自分が動けない時、自分が運べない類の荷物だった時に誰かに代わりに行ってもらう」という用意です。仲間がいれば問題はないでしょう。しかし誰もいない時にはそれこそFC系を利用してもいいのです。単発で計算すると確実に赤字となるでしょうが、「今日は行けません」「大きな荷物は運べません」「量が多すぎて無理です」は顧客を失うことと同義と考えてください。多少の赤字は後で取り返せばよいのです。

「自らは運送しない」で物を運ぶ(外注)場合、「利用運送(第1種)」の登録が必要になります。これを取らずに対処してしまうと、もしもの時に賠償責任を外注先が負うこととなります。つまり顧客が契約もしていない会社から賠償してもらうのです。さらに運賃も顧客が直接外注先に支払うこととなります。あなたが外注先と上手く意思疎通ができれば利用運送の登録がなくとも支払いの点は誤魔化せることができるでしょう。しかしそれは法令違反であり、万が一の場合に顧客にも外注先にも大きな迷惑をかけることになります。

「利用運送登録」の利点は顧客側にとっても「窓口ひとつで何でも任せられる」という安心感を与える効果も生みます。「じゃあ軽では運べないあの荷物もやってもらおうか」という話に発展する可能性もあるのです。そうなった場合でもそのためだけに自ら車両を5台準備して「一般貨物事業」の許可を取る必要もないのです。

利用運送事業登録は軽貨物事業よりも要件が高く(¥300万以上という財産的要件がある:法人個人は関係ありません)、費用もそれなりにかかります(この用途での弊所の報酬¥105,000、法定費用¥90,000)ので、少し様子を見て顧客のニュアンスを探ってから申請した方が良いかもしれません。しかし決断しても申請受理から登録が完了するまでに3ヶ月ほどかかる部分には注意してください。

規模や顧客数が拡大すればネットワークを構築し利用運送事業のコントロールセンターとして仕事が発展するかもしれません。もちろん人を雇って複数台で行う軽貨物事業へや一般貨物事業へのステップアップも視野に入ってきます。まあここではそんな夢物語は考えないようにしておきしましょう。

車の選び方

軽貨物運送事業に必ず必要となるクルマについてお話します。

前述の通り、最初は「軽貨物ワンボックス(軽バン)」をお勧めします。軽貨物と言えば軽トラの箱車(アルミバン)が一般的ですが、撤退する時の換金のしやすさが前者の方が高いからです。軽トラの幌車という手もありますが防犯上や荷崩れを起こした際のことを考えるとあまりお勧めしません(中にコンパネを立てるのが一般的ですが)。何より撤退を考慮した時、4人乗れる(自家使用しやすい)という点でやはり軽バンに分があります。可動式幌車のように背高物は運べませんが、私の「会社のたたみ方を考えて起業する」というポリシーをご理解していただけると有難いです。

次は看板についてです。これも撤退のことを考えてできればマグネット式看板を両ドア(可能ならテールゲートにも)に張り付ける手段を選択してください。カッティングシート式(シール式)であれば四角い白地(透明地は文字跡が残り意味がありません)に屋号を印刷して貼ってください。完全な文字のみ看板は剥がすと必ず看板文字跡が残り、換金時に大きなマイナスになります。まだ単に四角い跡の方がマシなのです。いずれにしろ貼る位置はドアのプレスラインを基準に狭い方に貼れるデザインにしましょう(塗装修理がしやすいため)。ペイントによる看板は絶対にいけません。

オートマかマニュアルかで悩む人も多いと思いますが、燃費のことを考えるとマニュアルに分があります。きびきび走るのもやはりマニュアルです。今はそれほど故障はしなくなりましたが耐久性や修理代を考えてもマニュアルに分があります。しかしここは好みもあるので敢えて断定はしません。換金時はオートマに分がありますが走行距離が進むと大きな違いはなくなります。

軽自動車で荷物を運ぶわけですから車には大きな負担がかかります。どんなに苦しくてもオイル交換は5000kmごとにやってください。そしてタイヤやブレーキパッドの減りもあっという間です。これは命にもかかわりますから、安価品で十分なのできちんと交換してください。そしてできればかかりつけの整備工場を作ってください。新車ディーラーではなく独立系の方が価格や納期の融通が利きます。あとはきれいに、大切に使ってください。きれいに使うか否かで車はちゃんと応えてくれます。雑に汚く使うと故障は増えます。大きな傷をつけてもそのままで使うとだんだん運転も心も雑になっていくものです。見た目の悪いままで使っていると顧客も次第に離れていきます。

最後に

私はどんな業界でも起業は似たような困難が必ず待ち構えていると考えています。それを乗り越えれるかはどの業界であっても結局は自分次第。

しかし軽貨物事業に関してはコンビニと同じく「FCから」というパターンが大多数のため、「そこからしか起業できない」と考えてしまっている人が多いのではないかと思うのです。コンビニはすでに圧倒的シェアをもって小規模小売店を駆逐してしまいましたが。軽貨物事業に関してはそこまで至っていません。いや、今後も至ることはないでしょう。

軽貨物FC側も資質を問わず不特定多数を集める、という手法を長く続けてきたために自らのブランドも毀損している、要は自分で自分の首を絞めてしまっている状態にあると思うのです。そこが伸び悩みの原因であることは間違いないでしょう。決して大手宅配や郵便局の存在のせいではありません。

本来、立場の弱い人たちを集めてスケールメリットを作るということは評価されてしかるべきですが、新規で素人を集めて作るスケールには実が伴うはずがありません。だからこそ先に既存の事業者が集まってスケールを作り、新規加盟者を厳選し、育成するべきなのです。これでは定員を満たせない大学が経営優先で、一定の水準に満たない学力の学生を集めるのと変わりません。当然大学の質は下がり、さらに学生が集まらなくなるという悪循環に陥ります。

軽貨物事業は一番最初に書いた通り必要な仕事です。それならばFC系に頼らず開業し、自ら営業戦略を練り、実践し、試行錯誤しながら結果を積み重ねるという経験値を上げた人を社会に増やすべきだと思うのです。FCはそんな人たちを組織化し、組合的に相互補完させる役割に転換すべきでしょう。

FCに依存してしまう人にも問題があります。黙ってても仕事が上から降ってくるのは大企業だけです。それでもそんな大企業ですら仕事を取ってくる人がいなければ成り立たないのです。ましてや独立開業となれば事業主、経営者です。その利点だけを享受しながら車を運転するだけでお金を稼げるなんて都合の良い話こそ不条理だとは思いませんか?

「騙された」。確かにそうかもしれません。説明会などで都合の良い話しか聞いていないと思います。しかし上手い話には裏がある、と疑うことは自分を守る必須の力でもあります。こう書くと憤りを感じる方もいるかもしれませんが勘違いしないでください、そんなあなたは普通の人。決して非はありませんし悪くありません。ただ法的防御の対策をしている相手と戦うことは時間の無駄だと思うのです。それに心をすり減らすくらいなら「自分と戦ってみませんか」と言いたいのです。

FCに加盟してしまっている人でも独自の営業はできるはずです。自分で取った仕事は、搾取される部分があっても自分の利益になるはずです。契約解除できれば一番良いのでしょうが、有期契約でしょうから多分違約金が発生したり車両代金など借入の一括返済などが条件にされているのだと思います。そこの損得を測り「とりあえず自分で動いてみる」「全力で働いてみる」のです。そしてタイミングを見計らって「真の独立」をしてもいいでしょう。

これは結構大変なことだと思いますが私にはそう促す、エールを送るよりほかはありません。裁判でケリを付けるのもアリですが、精神的労力が半端じゃないにもかかわらず勝って全額回収できるとも限りませんし、その間も生活はしなければなりません。ならば与えられた環境で全力を尽くしながら相手を最大限利用するのも手だと思うのです。こうならないためにも軽貨物事業で開業を考えている人には「先に自分で(自分の力を測る)」「FC加盟は後から考える」という順序を実践してほしいのです。

個人事業から、自分で、なら撤退も難しくはありません。他業種と違い店舗や専用事務所もいらず、軽貨物車一台から始めることができるのですから。

安易に飛び込む前に一度深呼吸してみてください。そして私と一度話をしてみて、計画を吟味してから決断しませんか?もちろんすでに開業し、思い悩んでいらっしゃる方のご相談もお引き受けします。

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