軽自動車の名義変更のい・ろ・は

軽自動車(黄色いナンバー)は普通車と同様なデータベースで管理はされており、車検証もほぼ同じような内容やデザインですが、手続きや扱い自体が大きく違います。

軽自動車の車検証は普通車とは逆の「上段が使用者」「下段が所有者」と記載がされていることに注意が必要です。

軽自動車の手続で使われる「申請依頼書」には委任の効力があります。いくらご本人からOCRシート(申請書)に直接印をもらったとしても、普通車のOCRシートと違いそれ自体に委任の効力はありませんので別途、申請依頼書が必要となります。申請依頼書なしに直接OCRシートに印を押して申請できるのは「窓口で申請をする当事者ご本人だけ」です。相手方のある手続の場合は必ず申請依頼書を用意しましょう。

ここでの説明はごく一般的でシンプルなケースです。軽自動車でも書類の捺印箇所や記載を誤ると使用不能になる場合があります。不安だったり迷った時には手を付けず私ども専門家もしくは管轄の軽自動車検査協会等へご相談ください

軽自動車の名義変更と住所変更

普通車の場合の名義変更は一般的な呼ばれ方として「移転登録」と「変更登録」がありますが、軽自動車の場合は総じて「記載変更(検査証記入申請)」と呼びます。

普通車と比べて最も大きく異なる点は「名義や住所の変更の手続そのものには車庫証明がいらない」ことと「印鑑登録証明書を必要としない」ことにあります。

軽自動車の場合、車庫証明(軽自動車では車庫届出と言います)は名義に関する手続きが終わってから、届出が義務付けされている地域内に限り「事後届出」をします。また、所有者が変わろうが、使用者が変わろうが、住所が変わろうが、必要な捺印書類は各当事者の「申請依頼書」のみです。普通車で必要な譲渡証明書や委任状の効力がこれ1枚に集約されているといえます。

申請依頼書に加え、新名義人の所在や住所の証明書類としては、個人であれば住民票、法人(会社など)であれば登記の現在事項証明でよく、どちらの当事者も印鑑登録証明書を要しないことから「捺印は認印でOK」とされています。しかしながら当然、本人の意思に反して勝手に捺印をすることは許されません。

譲渡を証明する書類は原則、ナンバーが付いていない車両に新たにナンバーを付ける際(新車や一時抹消済みの中古車)についてのみ求められ、新車の場合は一般的な譲渡証明書が利用されます(現在は電子情報の送信で行われるケースがほとんど)が、中古車の場合には抹消時に交付される「返納確認書」内にある譲渡欄を利用して証明します(別紙譲渡証明書でも可)。

所有者と使用者が同一となる方へ名義変更する場合

軽ケース1
■現在の車検証に記載されている「所有者(山田さん)」の・・・

・住民票(確認用:提出は不要です)

捺印済みの申請依頼書に、車検証記載どおりに住所、氏名を書いてしまえばそれで通ってしましますが、それが「異なる事実」であれば不実の内容を申請し、行使してしまうことになりますのでご注意ください。

・申請依頼書

申請依頼書の「旧所有者」欄に現所有者の認印を捺印、住所は車検証記載内容ではなく「住民票」の記載内容の通りに書きます

※現在の車検証の内容が、所有者と使用者が同一であろうが、別々であうが、必要なのは「車検証に記載されている所有者の書類」のみです。

■新しく所有者になる方(鈴木さん)の・・・

・住民票(必須:コピーでも可)

もしくは印鑑登録証明書(コピーでも可)。発行から3ヶ月以内のもの。法人の場合は現在事項証明書もしくは印鑑登録証明書(コピーでも可)

・申請依頼書

申請依頼書の「(新)所有者」「(新)使用者」欄ともに認印を捺印、それぞれ住所は「住民票」の記載内容の通りに書きます

現在付いているナンバープレートを変える必要がある場合(住んでいる住所がナンバーの地域管轄外の場合)は事前にナンバーを取り外しておきます。軽自動車は封印はありませんので、当日もし書類不備などで名義変更ができなかったりしても再度ナンバーを自分で車両に取り付けることが可能です。

申請先は「新しく使用者(使用者、所有者が同じ場合は所有者)となる方の住所(使用の本拠)を管轄する軽自動車検査協会」です。今のナンバープレートの管轄事務所とは限りません。

所有者と使用者を別々として名義変更する場合

軽ケース4
■現在の車検証に記載されている「所有者(山田さん)」の・・・

・住民票(提出は不要です)

捺印済みの申請依頼書に、車検証記載どおりに住所、氏名を書いてしまえばそれで通ってしましますが、それが「異なる事実」であれば不実の内容を申請し、行使してしまうことになりますのでご注意ください。

・申請依頼書

申請依頼書の「旧所有者」欄に現所有者の認印を捺印、住所は車検証記載内容ではなく「住民票」の記載内容の通りに書きます

※現在の車検証の内容が、所有者と使用者が同一であろうが、別々であうが、必要なのは「車検証に記載されている所有者の書類」のみです。

■新しく所有者になる方(鈴木さん)の・・・

・住民票(確認用:提出は不要です)

誤った情報を車検証に記載してしまうと、将来、車を処分する際に困ることになりますので正確な情報の確認が必要です。

・申請依頼書

申請依頼書の「(新)所有者」欄に認印を捺印、それぞれ住所は「住民票」の記載内容の通りに書きます

■新しく使用者になる方(斉藤さん)の・・・

・住民票(必須:コピーでも可)

もしくは印鑑登録証明書(コピーでも可)。発行から3ヶ月以内のもの。法人の場合は現在事項証明書もしくは印鑑登録証明書(コピーでも可)

・申請依頼書

申請依頼書の「(新)使用者」欄に認印を捺印、それぞれ住所は「住民票」の記載内容の通りに書きます

現在付いているナンバープレートを変える必要がある場合(住んでいる住所がナンバーの地域管轄外の場合)は事前にナンバーを取り外しておきます。軽自動車は封印はありませんので、当日もし書類不備などで名義変更ができなかったりしても再度ナンバーを自分で車両に取り付けることが可能です。

申請先は「新しく使用者(使用者、所有者が同じ場合は所有者)となる方の住所(使用の本拠)を管轄する軽自動車検査協会」です。今のナンバープレートの管轄事務所とは限りません。

<参考:所有権解除>

ここでの「現車検証の所有者(「使用者に同じ」の部分)」が自動車販売店名やファイナンス会社名であり、図の「使用者」の位置が山田さんの場合は「使用者山田さんを使用者から新所有者に」という、所有権解除と呼ばれる手続きとなります。

基本的に前述の書類に違いはありませんが、自動車ファイナンスの完済など所有権を設定している理由の除去が最前提となります(所有者から名義変更に必要な書類をもらえません)。この名義変更において「使用者(山田さん)」の住所に変更がなければ当然ながら名義変更後の車庫届出は必要ありません。

所有者と使用者が別で「使用者の住所変更」をする場合

軽ケース2
■車検証に記載されている「所有者(山田さん)」の・・・

・住民票(提出は不要です)

捺印済みの申請依頼書に、車検証記載どおりに住所、氏名を書いてしまえばそれで通ってしましますが、それが「異なる事実」であれば不実の内容を申請し、行使してしまうことになりますのでご注意ください。

・申請依頼書

申請依頼書の「(新)所有者」欄に現所有者の認印を捺印、住所は車検証記載内容ではなく「住民票」の記載内容の通りに書きます

■住所を変更する「使用者(鈴木さん)」の・・・

・住民票(必須:コピーでも可)

もしくは印鑑登録証明書(コピーでも可)。発行から3ヶ月以内のもの。法人の場合は現在事項証明書もしくは印鑑登録証明書(コピーでも可)

・申請依頼書

申請依頼書の「(新)使用者」欄に認印を捺印、それぞれ住所は「住民票」の記載内容の通りに書きます

軽自動車の抹消(検査証返納)

軽自動車でも、いわゆる「抹消」には「一時使用中止」と「解体」の二通りが用意されています。軽自動車の場合は「解体」として抹消する際の重量税の還付額が小さいため、車検残存期間が多く残っていない限りは一時返納で手続するのが一般的です。

もう動かない、車検も短い、車検が切れた状態であっても、抹消(検査証返納)をしないと軽自動車税は課税され続けますので、公道を走れなくなりますが車の行き先が決まるまでは「とりあえず一時抹消」が無難です。

「一時使用中止の返納」をする場合

軽ケース3
■現在の車検証に記載されている「所有者(山田さん)」の

・住民票(提出は不要です)

捺印済みの申請依頼書に、車検証記載どおりに住所、氏名を書いてしまえばそれで通ってしましますが、それが「異なる事実」であれば不実の内容を申請し、行使してしまうことになりますのでご注意ください。

・申請依頼書

申請依頼書の「(新)所有者」欄に現所有者の認印を捺印、住所は車検証記載内容ではなく「住民票」の記載内容の通りに書きます

・OCRシート4号(自動車検査証返納届出書)

届出書側紙面の申請者(使用者)欄に認印を捺印、住所は車検証記載内容ではなく「住民票」の記載内容の通りに書きます。裏面、軽自動車検査証返納確認書の左下「自動車検査証の返納を承諾した所有者の印※1」にも捺印して申請をします。譲渡欄の譲渡人印※2にも捺印すると白紙譲渡の効果を生じますので、車の処分先が決まるまでは捺印しないでおきます。

・ナンバープレート(前後)

ナンバーを外すと公道を走れなくなりますので、保管に支障のない場所に移動してからナンバーを外します。名義変更などとは違い車両の持込は必要ありませんので外したナンバープレートを持参します

・車検証に記載されている現所有者の氏名・名称・住所が住民票と異なる場合は同一性(同じ人、同じ会社だよ、ということ)を証する書類

旧住所記載の住民票、除票、戸籍の附票、法人の履歴事項証明書etc.車検証記載住所が印鑑証明通りの住所であれば不要です

※所有者と使用者が別々でOCRシートへの直接の捺印がもらえない場合、所有者から「申請依頼書」に捺印をもらって代用することも可能です。そこから譲渡することが決まっている場合は別途捺印済みの「一般の譲渡証明書」もあわせてもらっておくことで対処(現在の車検証の内容のまま抹消し所有者の譲渡証明書を添付して処分、もしくは使用者を所有者に変えて抹消し元々の使用者を所有者とすることで譲渡)できます。

申請先は

※管轄を越えた変更なくそのまま抹消(返納)する場合は「ナンバーを管轄する軽自動車検査協会」です。管轄を越えた変更とともに抹消(返納)する場合は「新たな管轄の軽自動車検査協会」です。

※自動車検査証返納(一時使用中止)には法定費用300円がかかります

「解体返納(永久抹消)」をする場合

解体返納(永久抹消)するケースは軽自動車も2通りあります。

「一時使用中止の返納後に解体の届出をする」

とりあえず自動車検査証返納の手続きをして(多くは自動車税課税基準となる新年度開始までに急ぎ課税を止めるために年度末に行う:解体の過程が完了するには数日から数週間かかるため)後日解体の届出をする

「解体と返納を同時にする」

重量税還付の金額を左右する車検の残存期間がなかったり、車両が「一時使用中止の返納を経る必要がない」状態や条件だったりする場合に行われます。

必要書類は前述の返納に関する書類に加えて、

「移動報告番号」と「解体報告記録日」

が必要です。これはインターネットの「自動車リサイクルシステム」のページの「ユーザー向け」画面から車両の登録番号を入力すると引き出すことができます。最後まで完了していればその画面をプリントアウトして持参してもよいでしょう。

車を解体として業者さんに引き渡しても端末に記録されるまでには多少時間がかかりますし、最後のシュレッダーダスト(破砕処理)まで完了するにも多少時間がかかりますので、引き渡しの際に完了までのおおよその期間を確認してください。

2通りの方法、どちらの場合も「OCRシート4号の3」が必要となります。

一時使用中止の返納後に解体の届出をする場合は、返納時(一時抹消時)に交付される「自動車検査証返納証明書」が必要です。

■重量税還付をする場合

解体返納、事後の解体の届出のための申請用OCRシート4号の3に振込口座情報を記載する欄がありますのでそこに記載をします。

※還付は原則、車両の「所有者」に対して行われますので、車検証上の「使用者」や第三者へ還付させたい場合には所有者の「実印」を押した「重量税還付用委任状」が必要です

※解体返納、解体の届出には手数料(法定費用)は発生しません

お問い合わせサイド

その他(共通)

・OCRシート(申請書)

当日窓口で購入し鉛筆で記入します。書き方は登録受付窓口で確認しながら書いた方が無難です

・税申告書

当日窓口で用紙をもらい記入します。新しい車検証には前の名義に関する情報は載りませんので申請する前に書いておきます

申請先は「使用者の方の新しい住所を管轄する軽自動車検査協会」です。今のナンバープレート記載の管轄事務所とは限りません。

※年式の新しい車(おおよそ3年落ちまでがメド:当時の新車価格によります)は「自動車取得税」がかかる場合がありますので車検証の情報を準備し事前に確認窓口である都道府県税事務所へ確認しておきましょう。

■必要書類一覧(一部ダウンロード可)
申請依頼書
申請依頼書.pdf
軽OCR1

軽OCRシート(軽1号様式)名義変更・住所変更用

軽OCR2表

軽OCRシート(4号表側)返納(抹消)用

※二つ折りになっており、別面が譲渡人欄のある返納確認書となります

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